生物学的安全性試験
新規の医薬品や医療機器を人体を対象する試験(臨床試験)を行う前に、非臨床試験として培養細胞や実験動物を用いて、生物学的有害作用(毒性ハザード)を評価するための試験です。 また、研究開発や品質管理(ロットチェック)の評価試験としても実施されています。
実施可能な試験の規格・方法
- 国際規格ISO-10993:Biological evaluation of medical devices
- 医療機器の生物学的安全性試験法ガイダンス(旧 事務連絡No.36)
- 日本薬局方
- 米国薬局方:USP
- 承認基準・基準案
- ASTM 規格
- BS規格
- 細胞毒性試験
試験試料の細胞毒性を哺乳類培養細胞を用いて評価する試験です。
- コロニー形成法(Colony)
抽出物で定量的に評価できます。 - 寒天重層法(Agar diffusion)
間接接触により、定性的に評価できます。 - 直接接触法(Direct contact)
直接接触により、定性的に評価できます。 - 抽出法(Elution)
抽出物で定性的に評価できます。
- コロニー形成法(Colony)
- 感作性試験
試験試料が遅効型アレルギー反応の1つである感作性を引き起こす可能性をモルモットを用いて評価する試験です。モルモットに免疫補助剤(フロイント完全アジュバント[BCG菌や結核菌の死菌+不完全アジュバント])の投与によって感作性を増強させてから行います。
- マキシミゼーション法(GPMT)
試験試料の極性・非極性溶媒の抽出液又は有機溶媒抽出液を用いて評価します。
極性溶剤:生理食塩液、水等 / 非極性溶剤:ゴマ油、綿実油等
有機溶剤:アセトン、メタノール、ヘキサン等 - アジュバント&パッチ法(A&P)
試験試料の臨床使用が貼付の場合又は抽出物の皮内投与が困難な場合に選択します。
- マキシミゼーション法(GPMT)
- 刺激性試験
試験試料の組織傷害性、刺激性をウサギを用いて評価する試験です。
- 皮内反応試験
試験試料から抽出した抽出液を皮内投与し、組織傷害性や炎症誘発性の有無を評価します。
- 皮膚刺激性試験
試験試料から抽出した抽出液を皮膚に貼付し、皮膚刺激性を有する物質の有無を評価します。臨床使用が貼付の場合は抽出を行わず、直接貼付します。
- 皮内反応試験
- 急性全身毒性試験
試験試料から抽出した抽出液中に、急性全身毒性を有する物質の有無をマウスを用いて確認する試験です。
- 発熱性物質試験
試験試料に存在する発熱性物質(エンドトキシン及び非エンドトキシン性発熱性物質)の有無を確認する試験です。
- 発熱性物質試験
ウサギを用いて、エンドトキシン及び及び非エンドトキシンの有無を評価する試験です。
- エンドトキシン試験
ライセート試薬を用いてエンドトキシンの有無を評価する試験です。(詳細は後述)
- 発熱性物質試験
- 血液適合性試験
血液に接触する試験試料から抽出した抽出液にウサギの血液を添加して37℃(人の体温)に加温して血液適合性を評価するための試験です。
- 溶血毒性試験
分光光度計を用いて、ヘモグロビン濃度を測定して定量的に評価します。
- 溶血性試験
血球を破損状況を肉眼観察により、定性的に評価します。
- 溶血毒性試験
- 埋植試験
試験試料の組織反応の種類と程度をウサギを用いて評価する試験です。